お役立ちコラム｜村上建設のお役立ち情報をお届け

「足場工事の根がらみってどんな状態？」このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、根がらみについて詳しく解説します。根がらみの由来や設置方法、厚生労働省のガイドラインに記載されている施行基準や規定についてもまとめているので、足場に使用されている部材の役割や設置方法を知りたい方は、本記事を参考にしてください。

足場工事の根がらみとは？

足場といっても、さまざまな資材が使用されており、どの部材も欠けてはいけません。足場部材の中でも、なくてはならないものが根がらみです。

根がらみと聞くと根が絡まってしまったという状態をイメージする方も多いのではないでしょうか。

根がらみは絡まっているなどといった状態を示す言葉ではなく、足場工事の専門用語で支柱のほぞ穴を切り取ったような形が特徴です。根がらみは他の支柱とは使用方法や設置目的が異なり、足場の1段目に使用されています。

根がらみは足場部材の名称で、足場に垂直に建てられている部材の位置ずれによる崩壊や不等沈下を予防できます。床下にある木製の床束を固めるために用いられている横木が根がらみです。

根がらみは、1本の支柱に水平力が集中することを防ぎます。根がらみを設置することで、作業中に何らかの力が足元に作用しても、支柱が横ずれしません。高い建物を建てる場合には、必ず根がらみを使用します。

根がらみは足場の強度を上げるために設置されますが、支柱を繋ぐ手摺にもなります。根がらみは釘打ちすることも多いため、根がらみ貫とも言われています。

根がらみを省略する場合は、根がらみに代わる何らかの方法で足場の崩壊防止や沈下に対する防止策をとる必要があります。

根がらみの由来

根がらみは、かつての和風建築が由来といわれています。柱を玉石に乗せていた独立基礎の時代は、床下が高かったため、根がらみ貫が必要不可欠でした。

しかし、最近は床下にコンクリートを打つ基礎が主流となり、床下が低くなっているため、根がらみがあまり使用されていません。また、床下に点検口を設けた場合、根がらみがあると床下に入れなくなるため、根がらみを使用しない業者が増えています。

根がらみの設置方法

ここからは、根がらみの設置方法を紹介します。根がらみの設置手順は以下の通りです。

・外柱の最下端にあるコマに根がらみ用布材を打ち込み、相互に連結させる
・内柱に順次、外柱を繋げる

根がらみを設置するためには、メジャーや水平器などを使用して、建物との距離をしっかりと確認しながら組み立てなければなりません。

根がらみの設置は難易度の高い作業となるため、新人の職人だけでは行わないように注意しましょう。

根がらみの施行基準や規定

足場には高さや設置幅などに決まりが設けられていますが、根がらみにも施行基準や規定が設けられています。

ここからは、根がらみの施行基準や規定について解説します。根がらみの施行基準や規定について、厚生労働省の足場先行工法のガイドラインに記載されています。

厚生労働省の足場先行工法のガイドラインに記載されている施行基準は以下の通りです。

・根がらみはできる限り低い位置に設置する
・根がらみを外した開口部等がある場合には、筋かい等で補強する

足場を安定させるためにも、根がらみはできる限り低い位置に設置しなければなりません。また、低い位置に設置することで作業者が足を引っ掛けにくくなります。

根がらみは連続して設置することも可能ですが、通路などを開口にする場合は、両側のスパンを筋交いで補強しなければなりません。外した開口部がある場合は、適切な資材での補強が必要です。

作業員の危険性を回避するためにも、足場先行工法のガイドラインをしっかりと確認して、根がらみを正しく設置しましょう。

おわりに

足場工事の根がらみについて詳しく解説しました。

根がらみとは足場部材の名称で、支柱の横滑りによる足場の崩壊や不等沈下を防ぎます。また、根がらみは足場を安定させるだけではなく、手摺としても使用されています。

根がらみの設置は水平器やメジャーなどを使用して、距離を確認しながら設置しなければならないため、難易度の高い作業になります。根がらみを設置する際は、厚生労働省の足場先行工法のガイドラインをしっかりと確認しておきましょう。